年俸制
年俸制とは、給与金額を1年間分の総額であらかじめ決定してしまう給与体系です。
ただし1年分をまとめて支給するのではなく、12分割(もしくは賞与月含めた16分割など)して毎月支給します。(「賃金支払いの5原則」にて毎月1回以上支払う必要があるため)
通常の月給制との最も大きな違いは、年俸制は年間総額が決まっているため、会社の業績や個人の実績によって受け取る金額が左右されないことです。
つまりいくらセールスの成績を向上させたとしても歩合や出来高制による給与体系ではないので、その月の給与に反映されません。その逆もまた然りです。
これをメリットと捉えるか、デメリットと捉えるかは個人差があると思いますが、いずれにせよ年俸制によって雇用される従業員は会社への貢献をより期待されている人物といえます。
年俸制における勤怠控除と残業代
年俸制によって年間総額があらかじめ決められているとはいえ、その従業員に遅刻・欠勤・早退が発生した場合は、月給制と同様に欠勤控除してしまっても差し支えありません。(控除金額の計算方法は「遅刻・欠勤控除の計算」を参照)
時間外労働手当についても支払いの義務が通常通り生じます。
年俸制の従業員であっても労働基準法の適用は受けますので、法定労働時間を超えた労働分についてはキチンと賃金を割り増した形で年俸に上乗せして支給する必要があります。
割増賃金の算定方法は就業規則などで明確にしておくことが重要となります。