給与・手当の主な種類
従業員に対して支給する給与には、会社によっては基本給に加えて、その他のさまざまな手当によって構成されています。
その中でも一般的なものを紹介します。
基本給
文字通り毎月の給与額のベースとして支給される項目です。
基本給の金額は主に年齢や勤続年数、役職や会社に対する貢献度などを総合的に勘案して決められますが、その算定方法は会社によって異なり、勤続年数をより重視する場合や、役職や会社に対する貢献度が大きなウェートを占めている場合など、それぞれ特色が出てきます。
役職(役付)手当
社内において管理・監督の責任のある者に対して、その責任の大きさに報いるために支給される項目です。
課長手当、主任手当、部長手当、というように実際の役職ごとに名称を分ける会社もあります。
役職手当を支給する理由としては、
○一般従業員と比較して職務への責任が重大なのでその責務に報いるため、
○管理責任者として所定労働時間の規程の適用から外れるので、時間外労働に対する残業代の代わり
としてあらかじめ定額で支給するため
○管理責任者としての体面を維持し、モチベーションを持たせるため
といった理由が挙げられます。
役職手当の金額を決定する際に注意すべきこととしては、上記のとおり、役職者、管理責任者は一般社員とは違い、時間外労働による手当の算出対象外となることが多いので、一般社員の残業代に相当、もしくはそれ以上の金額、またはその責務に見合っただけの金額で支給することが挙げられます。
職務手当
社内における通常とは異なる特別な職務を担当する従業員に支給される項目です。
職務手当の支給基準としては、当該職務の困難度(普通の従業員ではこなせない仕事)や、その職務に取り組むことによる負担(時間的、金銭的、等)への配慮、などを考慮して決定することです。
資格手当
会社側が望む資格を従業員が取得した際に、あるいは取得しようとする際に支払われる項目です。
従業員への支給の仕方としては主に、毎月の給与の一部として定額で支給される場合と、一時金として支給される場合の2パターンがあります。
資格手当はより専門性の高い傾向にあるIT業界、建設・不動産業、金融業界を中心に、従業員の専門性やスキルの向上を図る目的で導入しているケースが多い項目です。
また会社によっては資格取得のためのセミナー受講費用を支援する目的で資格手当を支給し、従業員に対して資格取得を積極的に奨励しているケースもあります
住宅手当
従業員の住居費や家賃の支出による生活費圧迫を緩和・補助する目的で支給される項目です。
住宅事情のよくない地域に所在する会社の場合、人材の確保や転勤を円滑にする、といった役割も担っています。
支給額の設定方法としては、賃貸・持ち家などの住居の種類別、世帯主・非世帯主別、扶養家族の有無、などの諸条件を設定して支給する場合と、役職・資格・年齢などの社内での属人的な条件を基に支給する場合の2パターンが主となっています。
営業手当
外回りなどを担当する営業の従業員に対して支給される項目です。
日々の営業活動での交通費や接待費を補填する目的で毎月定額で支給されます。
家族手当
配偶者や子供などの扶養家族を抱えている従業員に対して、毎月定額で支給される項目です。
会社によっては扶養手当という名称で呼ばれているケースもあります。
独身の従業員以上に家庭を支えなくてはならない責任がある従業員に対しての経済的支援として会社が恩恵的に設定している項目といえます。
金額の主たる設定方法としては、「配偶者がいる従業員は○○円」、「子供が誕生したら○○円、2人目以降○○円」といった形で家族の規模に合わせて加算されていくスタイルが多く見受けられます。
通信手当
営業などの業務目的で自分の携帯電話をよく使う従業員に対して、その料金の補助目的として支給される項目です。
携帯電話料金の補助も含めて上記の営業手当として支給している場合や、それとは別に通信手当として別立てでを支給する場合など、そのあたりの給与構成は会社によって異なります。
通信手当として支給する場合には、相場として一律5,000円くらいを支給しているケースが多く見受けられます。