遅刻・欠勤控除の計算方法
労働者の遅刻や早退・欠勤などによる不就労部分についての給与の控除額の算出方法は、特に労働基準法で明確に定められているわけではありません。
なので、あまりにも労働者不利なやり方を除けば、それぞれの会社の就業規則などで定めた計算方法での算出が認められています。
一般的な計算方法としては、以下のような計算方法があります。
【遅刻や早退分の控除の計算】
遅刻・早退控除額=(控除対象となる給与総額/月間所定労働日数)÷8×遅刻・早退時間数
【欠勤控除額の計算】
欠勤控除額=(控除対象となる給与総額/月間所定労働日数)×欠勤日数
月間所定労働日数とは
欠勤控除や時間外労働手当を算出する際に用いる、その会社の1か月あたりの平均労働日数の事を指します。
一般的には1年間の総労働日数を12で割って出た日数とするケースが多いです。
また、土日・祝日休みの会社を例とした場合ですが、1か月の労働日数がおよそ19日~22日を推移する中で、あえて12か月の平均を計算せずに「20日」もしくは「21日」と、定めてしまう事も可能です。
いずれにせよ月間所定労働日数は就業規則などに明記しておく必要があります。
なぜ月間所定労働日数を定めるのか
例えば、給与算定期間内に1日欠勤した労働者がいた場合、その従業員の給与額を月の労働日数で割ることで1日分の単価を出してその額を控除します。
この時に分母となる労働日数が所定労働日数として毎月定値ではなく、その月ごとの労働日数としてしまうと、月によって1日の価値が変わり、欠勤した月によって控除額が異なるという事態が発生してしまいます。
こうした欠勤した月による不公平さを無くすためにも、月間の所定労働日数を定めることが必要になってきます。
控除計算の端数処理
遅刻や欠勤の控除計算をしていると、小数部分(端数)が出てくることが多いと思います。
こうした端数の処理は控除の場合、切り捨てるのが一般的です。
というのも、端数部分を切り上げて1円でも多くしてしまうと不就労部分以上の控除と考えられ、「ノーワークノーペイの原則」に反してしまい、労働基準法違反になってしまう可能性が出てしまうからです。
【ノーワークノーペイの原則】
=労働者より労務の提供がない場合、その部分に関しては使用者は賃金を支払う義務はなく、労働者も賃金を請求する権利を持たない、という考え。